カニ醤油
鑰屋可兒醤油、蔵造りの店舗が臼杵本町商店街の中ほどにある。
美濃藩主稲葉貞道が臼杵に移封されることになり、事前の偵察隊として送り込まれた七人衆の中のひとり可兒孫右衛門が、商人に扮して臼杵城下に潜入し興した店である。慶長五年の創業というから、実に400年以上も代々つづく醤油店である。
さしみ醤油とうまくち醤油の二本を購入。
関東だとあまりさしみ醤油をつかわないが、普通の醤油を刺身につかうとしょっぱすぎる。だからといって少しだけしかつけないと、魚の生臭さが強く残る。さしみ醤油はとろっとしてからみやすく、味もひかえめで刺身の風味をそこなわない。
うまくち醤油の「うまくちひかり」で煮物をつくるとばつぐんにおいしくできる。やはり煮物はしょっぱい醤油よりはうまみのある醤油でつくったほうがいい。冷奴にかけてもおいしかった。
どこの醤油がうまいかという話ではなく、適材適所で醤油も使い分けるべきである。