真夏の山登り - 古里〜御岳〜鳩の巣 その3
先ほど通過した鳩の巣への分岐点までもどり、下り始める。
御岳の町を出るとすぐに深い山の中だ。
鳩ノ巣方面への道は細く、歩く人も多くはないようだ。
さすがに下りは楽である。
登るのはあんなに苦しかったのに、汗ももう出ない。御岳で購入した三本のペットボトルは、どうやら不要になりそうだ。
が、すいすいと駆けるように下るというわけにはいかず、よろよろのろのろと進む。
登りで足を酷使したため、痛くて力が入らないのだ。二時間ひたすら登り続けるというのは、足にもかなり負担だったようである。
以前はこんなことなかったのに。やはり歳か。体重もかなり増えてるし。
歩き始めてほどなくして、お腹がごろごろしてきた。先ほど冷たい飲み物を1リットルも一気飲みしたせいだろう。
急を要する事態なのだが、山の中ではどうすることもできない。いや、どうにかなるとも言えるが、それは最終手段である。
なんとか麓までたどり着こうとあせりつつ下る。
気持ちはあせるが足がついてこないので、見た目には、ただよろよろと歩いているだけであっただろう。
ようやく鳩ノ巣の町を眼下に望むことができた。あそこまで下ればゴールである。まだかなりあるように見えるが…。
あせりつつもよろよろと下り続ける。
トイレまであと10分という案内板に励まされてさらに進む。
あんな案内板があるということは、やはり急を要しつつ下りてくる人はそれなりにいるのだろう。しかし、こういう案内板の常として、絶対に10分では着かない。必ず短めに書いてある気がする。長すぎて絶望する人がいないようにとの配慮であろうか。しかもいまは足がついてこないから余計に時間がかかってしまう。
気力を奮い起こして、内股前屈みで進む。
まだかまだかと気はあせり、すでに通り過ぎたのではと不安になり、案内板の三倍の時間をかけて、ようやく登山口にあるトイレまでたどり着いた。
いくら喉がカラカラだといって、冷たい飲み物を1リットルも一気飲みしてはいけないという貴重な教訓を得て下山した。
鳩ノ巣は山と川に挟まれた、東京とは思えない小さな集落で、しかもその端っこだからそうとう寂れた場所であるはずなのに、山から降りて民家を見るといつも、そこが賑やかな町の一角に感じられる。
文明世界にに戻ってきたなあと実感する。
多摩川にかかる橋を渡ると鳩ノ巣の中心部である。青梅街道沿いにはいくつかの店舗も並んでいる。
ここで、今回の山歩きは終了。
鳩ノ巣釜めしで遅い昼食を食べた。
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