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ヤマレコ

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2016年2月の5件の記事

新しいおもちゃとバレンタイン山行

山行くぞーっと早起きしたはいいものの、どうやら外は雨、しかも酷い風が吹いている。
この暴風雨の中、まだ暗いうちから出かける気にもなれず、今日は中止だなあ、と行動食のチョコレートをポリポリ食べつつ寝転んでいた。

朝が来て明るくなるにつれてだんだん雨足も弱くなり、お昼近くになると日も差してきた。

どうしよう。行くか。

バレンタインデーにひとりポツンと家にいたくもないし、浮かれた街へ出かけるのはもっとイヤ。それに新しいおもちゃも試してみたい。
いまからだと高尾山くらいしか行けないけど、それでもいいや。

あわてて仕度して電車に乗った。

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生き延びる自分を経験すること

鋭く尖った岩峰を巻くように付けられたトラバース路が、道の途中で完全に崩落していた。

これは...どうやって進むか...。

いや、どうやってなどと考える余地はない。選択肢はない。空に突き刺さるかのようにまっすぐ聳える岩峰を登って向こう側へ降りるのは不可能だ。トラバース路が落ちてる部分は岩にへばりついて超える、それしかない。

引き返そうか...一瞬そう考えた。しかし、ここまですでにかなりの距離、崩壊地を登ってきている。あの崩れかけた岩場を下るのは考えたくない。

大きく足を伸ばし、比較的大き目で安定してそうな岩の出っ張りにつま先を乗せ、崩れないようにと祈りつつ、恐る恐る体重をかける。

壁に沿って張ってあるボロ雑巾のような古いロープが頼りである。命を預けるには不安だが、雪に埋もれた頼りないホールドを掘り起こしつつ進むよりはマシだろう。上半身が自由に動かせるだけで、安定感がかなり増す。

ロープを軽く引き、抜けないことを確かめて力を入れる。足の下は、谷底までまっすぐ切れ落ちている。足元のもろい岩の出っ張りが崩れれば、崖の途中でロープにぶら下がることになる。そのロープが抜けるか切れるかしたら、真っ逆さまに墜落だ。

なんでこんなことになったんだ...と嘆いてみても、その理由は自分が一番よく知っている。これは、自らが場面場面で下してきた選択の結果なのだ。

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青と白の世界

見上げれば、深い深い空の色。
それはあまりに深くてあまりに色濃くて、「青空」と呼ぶのは相応しくない。
紺碧?紺青?瑠璃色? どんな言葉を用いても表しがたい色をしている。
背後に広がる無限の宇宙が溶け出したかのような深みのある青。
心が吸い込まれていきそうな空の色。

視線を下に落とせば、純白の世界。
真っ白な雪原は太陽の光を反射して、強烈に輝いている。
キラキラ輝く光の粒が空間を跳ね回り、リズムを刻みメロディーを奏でる。
時おり吹く風の音が、さーっと稜線を駆け抜ける。

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高尾 de 新年会

「そうだ!あさかわに行けるじゃない!」と餃子をパクつきながらK女史が言いました。

あさかわ? それは飲み屋じゃないですか。次回山行の行き先を相談してるのに、あさかわですか…?

「いいね!あさかわだったらわたしも行ける!」と餃子をパクつきながらK美先輩が答えます。

K美先輩は諸事情により山自粛期間中なのですが、飲み会だけなら参加できるとのこと。
では、しかたないですね。夕方のお店が空いた時間帯に集合できるような予定を考えてみますか…。

「K美ちゃんは、わざわざ二時間もかけてあさかわまで来るのに、夕方からじゃかわいそう!」と餃子をパクつきながらS子先輩が言います。

どうやら開店時間の二時から飲み続ける気満々のようです…。

都内某所にある、メニューは焼き餃子一択という潔さの餃子専門店にて、登る山も決まらないのに、来週はあさかわで新年会(しかも開店早々から)という予定だけは決まってしまいました。

ていうか、いまも飲んでるんですが、これ新年会じゃないんですか? あけましておめでとうとか、今年もよろしくとかさっき言いましたよね? 来週も新年会ですか?

同じメンバーで二週連続の新年会なんてあまり聞きませんが、口答えするのは控えておきます。

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夢のあとさき - 後編

六畳一間トイレ共同の安アパートが、青春時代のK女史の城でした。

大家さんは隣りに住んでいて、夫婦と小学生の子供四人で賑やかに暮らしてました。子供たちと仲良くなったK女史は、遊び相手になったりもしていました。

「なんかね、大家さんの家庭を見てたら、こんな暮らしもありなんだなって思ったな」

○十年前の田舎の子沢山の家庭ですから、それほど裕福ではなかったかもしれません。九部屋のアパートとガソリンスタンドを経営して、一家六人の生計を立てていました。

早朝からガソリンスタンドを営業してほしいというお客さんの要望が多く、でも大家のおじさんはそんな朝早くからは無理だということで、早朝6時から8時まで、K女史が大家さんのガソリンスタンドでアルバイトすることになりました。

小さな町ですし、お客さんは常連ばかりです。すぐにみなと親しくなり、そんな中のひとり、椎茸栽培の中野さんといっしょに山へ椎茸取りに行ったりもしたのでした。

「いまでもガソリンスタンドやってるかなぁ」

どうでしょうね。ガソリンスタンドってけっこう閉店してますからね。

「そうだよね…」

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