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ヤマレコ

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カテゴリー「32 広島県」の7件の記事

夜の原爆ドーム

 広島市内で夜を迎えたため、ライトアップされている原爆ドームを見に行く。

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 いくつもの条件が重なって、爆心地近くでは奇跡的に崩壊しなかった建築物である。当時内部にいた方々は全て即死だったそうである。

 世界遺産に登録され、今後、取り壊し等の議論が出ることは無いだろうが、この建物をこの状態で保存していくことは困難になるかもしれない。

 
 

造り酒屋の町

 広島県東広島市の西条、かつては山陽道の宿場町として発達した。しかし都市化の波に飲まれ、宿場町としての面影は消えてしまった。

 西条は灘、伏見と並ぶ日本三大酒どころであり、西条駅周辺には八つの醸造場が現役で操業している。このうちの六つは一ヶ所にかたまって在り、酒蔵の町並みを形成している。

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 この一角だけが開発から逃れ、江戸期の面影を残している。

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 表通りは旧山陽道である。

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 裏通りに入ると、白壁と酒蔵の細い路地が続く。

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 いまとなっては貴重な町並みであり、観光資源としても活用され始めている。今後この酒蔵の町並みが、開発され消えるようなことは無いであろう。

 
 

重く深い塩の町

 製塩業で栄えた竹原、いまも江戸時代の町並みが残る。

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 もとは水田として干拓されたが、海辺の土地であるため塩分濃度が高く、やむを得ず塩田にしたのが、竹原での塩作りの始まりである。

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 その後、竹原の塩は、瀬戸内では赤穂の塩と並ぶ特産品に育ち、莫大な富を竹原の町にもたらした。

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 今に残る江戸期の町並みは塩と、もうひとつの特産品であった酒によって築きあげられたのである。

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 決して華美ではないが、細部にまで優れた意匠がほどこされている。

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 黒、白、灰色、藍色を基本とした町並みは重厚であり、曇天の日には、深く重く哀愁を漂わせる。

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 製塩業は昭和30年代には衰退した。その後の高度経済成長期には、この塩田を埋め立てることで市街地を拡大してきた。そのため古い町並みは開発圧力を逃れ、その姿を今に残すこととなったのである。

 
 

小さな港町

 広島県竹原市の忠海へ。

 近隣の人でもない限り、あまり知る人のない町である。ある本でこの町の煙草屋の写真を見て訪れてみたくなったのである。

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 中心街には古い町並みが残っていた。

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 お目当ての煙草屋は特に探さなくてもすぐに見つかった。それくらい小さな町である。

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 瀬戸内の海辺の町であり、小さな港もある。

 
 

尾道ラーメン

 尾道ラーメンといえば、全国に数多ある御当地ラーメンの中でも、比較的その名が知られているラーメンである。しかし、尾道ラーメンとはどんなラーメンかというと、話が少々複雑になってくる。

 尾道のラーメンが全国的に有名になるよりもずっと前、戦後まもない頃から営業を続けてきた老舗が数店舗ある。当時は「尾道ラーメン」などという呼称は無く、ただ単に「中華そば」と呼ばれていた。それらの店は長らく地元客を相手に商売してきたのだが、大林宣彦映画の影響などで尾道を訪れる観光客が増えると、老舗のラーメン店も人気が出てくる。

 これに目をつけた目端の利く人物が、「尾道ラーメン」というネーミングで全国展開を始める。地域ブランドの確立など、さほど盛んでもなかった時代である。先見の明があったと言わざるを得ない。ほどなくして尾道ラーメンは全国的に認知されるブランドへと育つ。

 全国展開を始めるにあたって、尾道ラーメンとはどんなラーメンかを定義したらしい。しかしここで問題なのは、先の目端の利く人物が、老舗ラーメン店の経営者ではなかったことである。その結果、全国的に知られる尾道ラーメンと尾道の老舗の中華そばは厳密に言えば別物になってしまったのだ。老舗の多くは「尾道ラーメン」という呼び名を使わず、かたくなに「中華そば」としつづけているらしいが、その気持ちはよくわかる。

 さて、こんな場合どちらを食べるべきか。ラーメンマニアは両方かもしれないが、私はマニアではないし、ラーメン二杯はおいしく食べられないうえに健康に悪い。通常は老舗へ向かうのだが、行列に並ぶのは辛いので、駅前で目立つラーメン店に入ることにした。大々的に尾道ラーメンを掲げている店である。

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 いろいろと食べ比べずに書くのは気が引けるのだが、老舗も後発もさして大きく違わないのではないだろうかと思う。大まかに言えば醤油味のあっさりラーメンである。都会の気合の入ったあっさり系のラーメンではなく、素朴な味である。

 豚の背油が入っているのが尾道ラーメンの特徴のひとつなのだが、スープがあまり熱くないので、背油が溶けずにコリコリしていた。失敗なのか、わざとそうしているのか、他の店も同様なのか、東京の背油入りラーメンを食べなれている身には非常に疑問であった。

 
 

坂の町

 尾道は坂の町である。

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 険しい断崖にへばりつくようにして町並みが形成されている。

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 お年寄りには困難なくらい険しい坂道を登らなければならない。

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 集落内の路地も狭く、私有地かどうか区別のつかないところもある。

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 お寺の中が普通に通路として使われていたりもする。

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 家屋は昭和の建築が多いようだが、路地の雰囲気は昔のままである。

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 断崖の集落の前には平地が広がるが、こちらは埋め立てでできた土地だろう。

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 こちらも昭和の香りのする町並みである。

 
 

奇跡の港町

 瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦、古来より鞆は潮待ちの港として発展してきた。

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 鞆を境にして潮の流れが変わるため、瀬戸内海沿岸を行く船は鞆の港に立ち寄って潮目が変わるのを待たなければいけなかった。

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 そのため歴史上の人物も多く鞆に立ち寄っている。大伴旅人、足利尊氏、坂本竜馬、三条実美、歴史に名を残す人物たちが、この地に降り、現在と変わらぬ風景を眼にしていたのである。

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 江戸時代には朝鮮通信使も鞆に立ち寄った。彼らが「日東第一形勝」と褒め称えた福禅寺対潮楼からの眺めも、当時と大きく変わることはない。ただし、当時の対潮楼は海に突き出た岸壁上にあり、眼下には波が打ち付けていたのだが、現代では埋め立てられ、県道とフェリーの発着所が作られている。

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 沿岸航海から沖乗りが主流になると、鞆で潮待ちする必要は無くなり、沼隈半島の先端部という海が交通の主流であった時代には有利な条件も、陸上輸送が主流になると、鉄道や主要道路から大きく外れた地となってしまった。

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 そのため大規模に開発されることも無く、鞆には江戸時代から変わらぬ町並みや港湾施設が奇跡的に保全されているのだ。

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 半島を周遊する道路は東側も西側も、半島先端部の鞆で行き止まってしまう。いまさらに町並みをつぶして道路を通すことはできないので、港の一部を埋め立てて橋を掛ける計画がある。

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 橋の建設計画が決定したとき、万葉の時代からつづく奇跡の港町の景観も大きく様変わりしてしまうのだろうか。

 
 

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